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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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バンビエン~「ここは桃源郷だよね」の巻

»カテゴリ: ラオス

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宿から見た光景(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 バンビエンに着いた。小さな市場を通り抜けて、裏手を流れる川につきあたった。ゆるやかな清流の向こうに、霞がかった岩山が間近に迫っている。川辺に面した宿に部屋を取った。ドアの前にベンチのあるポーチが伸びていて、毛糸の帽子をかぶった男が座り込んで、川を見ていた。こんにちは、と声がかかった。ここは桃源郷だよね--。
 ここではなにもしない。目の前に流れる川で泳ぎ、歩いてすぐの市場でおかずを買い、川と岩山を見ながらポーチで食べる。ラオスではもち米をよく食し、漬物と干し肉をつけ合わせにする。ミャンマーのシャン料理と似ていて、素朴だが味わい深い。雨季のいま、毎日豪雨が降っては、気温が下がり、とても快適である。晴れているときは、靄がたなびいて、岩山にかかる。曇ってくると、視界が一面、山水画の世界になる。日が暮れるまでポーチにいても飽きることがない。なるほど桃源郷か。
 この宿には、日本人の旅人が何人かいた。帽子でドレッドヘアを覆ったエイジさん。高円寺でバンドをやっている。「バンドをやっているヤツはさ、バンドのことになると、他に見えなくなっちゃうンだよね」。彼の語り口は、優しくて、静かで、この風景によく合うように思えた。エビネさんとナツコさんのカップル。もの静かで、礼儀正しくて、感じがいい。それから真っ黒に焼けた元気いっぱいのマユコちゃん。まるで健康優良児だね、とからかうと、「いつも皆勤賞もらってました」。京都のスポーツクラブのインストラクターだそうだ。数日後に、成田空港に勤めるラオス好きのサカモト君も加わった。
 旅をしていて、日本人とつるんで遊ぶことがあまりない。おかしな話だが、日本人とは打ち解けにくい気がしていた。お互い年齢が分からず、敬語っぽい口調になりがちで、どこか気を遣う。韓国人も似たようなことを言っていた。特に避けているつもりはなかったが、もしかすると同国人を面倒くさいと感じるところがあったのかもしれない。
 バンビエンでは、不思議と気を張らずに日本人の旅人と川の向こうの洞窟に出かけたり、名物料理を食べに行ったりして過ごした。年齢不詳、職業不詳、フウテンのエイジさんのおかげだろう。旅をしていると、不思議な魅力のある人との出会いがある。普段の生活のなかでは、言葉を交わさずにすれ違うだけの人。バンビエンに来てよかったと思った。
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