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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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アムリトサル~シーク教団の町の巻

»カテゴリ: インド

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黄金寺院で(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 ペシャワールからラホールに戻ると、翌日に滞在期限が迫っていた。思いがけず長居したパキスタンだった。イスラムの戒律をかたくなに守り、ところかまわず尋問攻めにし、知り合えば気軽に家に招く人々。この国の旅は実に面白かった。
 国境はラホール駅から30数キロの近郊にあった。インド側の手続きをすませ、街道を歩き始めたところに看板があった。「世界最大の民主主義国、インドへようこそ」。軍人がクーデターで政権奪取したパキスタンを揶揄するようにも読める。僕らとイェルカは、アムリトサルにあるシーク教団の大本山に向かう。1時間足らずの距離である。
 大理石の回廊を進み、白亜の建物をくぐる。水の中に黄金寺院が浮かんでいた。カタカタカタ、と聞こえる音楽が静かに流れる。池のほとりに淋浴する男が見えた。僕らは大理石の床に腰を下ろして、黙って茜色に染まる寺院を見ていた。
 シーク教の戒律は厳しい。信者は禁酒禁煙。男は頭にターバンを巻かなければならない。寺院を訪れる異教徒も戒律を尊重し、頭を布で覆う。シーク教徒は、また非常に清潔好きである。入口で靴を脱ぎ、水の張った溝に足をつけて、寺院に進む。一回りして、足裏を見ると、ちっとも汚れていない。大理石の床は徹底的に掃除されているのだ。僕らが泊まった寺院内の宿泊所も古びていたが清潔だった。よく知らない宗教だが、好感を持った。
 門前町アムリトサルはシーク教徒が多いようだ。禁酒国で2か月を過ごし、ビールに飢えていたが、見当たらない。町でも寺院が見えるところでは煙草を吸ってはいけない。
 夜、宿泊所で会った旅人に煙草を吸いに行こうと誘われた。ヒンズー教徒の茶屋で吸えるらしい。カナダ国旗を縫い付けたカバンを提げたアメリカ人。これからパキスタンへ向かうが、「カナダ人だと思われた方が都合がいい」のだそうだ。確かにイランやパキスタンではアメリカ人はひとりも会わなかった。僕がイランを旅したと知ると、うらやましがる。アメリカ人がイランのビザを取るのはほとんど不可能なのだ。いまのアメリカは世界であまり好かれていないから、特にムスリム世界では、と彼は言った。
 僕らは、気安くパキスタン人と付き合っていたが、アメリカ人の彼にとっては、だいぶ違った旅になるだろう。国籍を偽らないと旅ができないアメリカ人は哀れだと思った。
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