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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ラホール~異郷の我が家の巻

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シャヒッドの妹たち。赤ん坊は親戚の子。(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 カルマンに見送られて夜行バスに乗り、人口500万の大都市ラホールに着いた。午前4時半。どうするか迷っていると、白人の若い男に声をかけられた。駅へは市バスの4番で行ける、と教えてくれる。ラホールに詳しいようだ。彼も同じバスで家に帰ると言う。
「よかったら僕の家に来ませんか」
 自信なさげな口調の彼は、ラホール出身のパキスタン人だと名乗る。金髪で青い目のパキスタン人? 少数民族か? そうではないと言う。彼の正体を知るのは面白そうだ。悪者にも見えない。よし、行こう。
 またしても見知らぬ人からの招待だ。パキスタン入国1週間足らずで3回目である。
 バスに30分ほど乗ってから、オートリクシャに乗り換える。インド亜大陸特有のオート三輪だ。真っ暗の町。路地を何度か曲がって、ここです、と彼が言った。
 シャヒッドという名前の彼の両親は、ごくふつうの風貌だった。黒髪、黒目で日焼け色の肌。どうして息子が“白人”なのか。戸惑いながら、チャイをいただく。向こうも朝っぱらから、見ず知らずの外国人がやってきて不思議がっている。シャヒッドが僕らの話をパンジャブ語に訳して、ようやく安心したようだ。彼の妹たちが姿を見せた。両親似の子がひとり、“白人”がふたり。後から知ったが、親戚にも何人か“白人”がいる。
 この家でイード連休の3日間を過ごした。“白人”の件を除くと、ごく一般的な家庭みたいだ。宗教はイスラム。お母さんは一見怖そうで、よく水パイプを吸っている。3人の妹が料理、洗濯、掃除をやる。お父さんはいつも出払っている。久々に帰郷したシャヒッドと僕は、朝から晩まで、悪友宅や路地裏でこっそり飲酒とバクチ。高校生に戻ったみたいですごく楽しい。和華子は妹たちと家で遊ぶ。この国では女は家から出ないのだ。
 結局、彼がなぜ“白人”なのかはわからずじまい。突然変異の一種なのかもしれない。近所の人はごく普通に接している。そのうち僕らも家族の一員になってきた。シャヒッドの妹が和華子を勤務先の学校に連れて行き、日本のイトコが来たから休みをくれ、と校長に頼む。なぜか疑われず、有給をもらえる。シャヒッドも悪友に僕をイトコと紹介するが、誰も疑わない。パキスタンに第二の故郷ができた。
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