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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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タフタン~国境税関の夜宴の巻

»カテゴリ: パキスタン

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タフタン税関の男だけのパーティ(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 タフタン税関のカレーは実にうまかった。専属の料理人が作ったと聞いて、納得した。こんなに味が濃くて、辛くて、まろやかで、とにかくうまいものを口にしたのは久しぶりだ。中庭で通関書類に目を通す係員とチャイを飲みながら雑談しているうちに、夕食も食べて行け、となった。なんでも今日は「国際税関デー」。近隣の名士たちが集まるパーティを開くという。ちゃんと宿泊できる部屋もあるから、と勧められた。
「その、宿泊にお金はいるんですか」
「なにを言っているんだ。ここは政府庁舎だぞ。そんなもの取るわけがないだろう」
 それもそうだ。面白そうだ、泊まっていこう。
 近隣の名士たちは、早食いである。税関専属料理人が腕を振るった大皿をどんどんたいらげていく。飲み物はコーラ。名士は全員男だ。黙々と料理に取り組む。それほどうまいからなのか、いつもそうなのか。デザートを済ませた者から、部屋の隅に移って、紫煙の中、ようやく談笑。
 ここはバローチスタン砂漠の辺境。中央から派遣された役人は、みな単身で赴任してくる。女はそもそも地元の村人しかいない。税関職員の場合は、20日勤務しては10日の休みをもらい、家族を残した田舎へ帰る。勤務中は税関庁舎内に住み込む。たまたま帰郷中の職員がいて、その空き部屋に僕らは泊まった。シャワー、トイレもあり、快適である。
 政府庁舎に飛び入りの民間人が寝泊りするなんて、日本では考えられないことだ。
「コーランは旅人を助けよ、と教えている。あなたたちを助けるのは当然ですぞ」
 それにしても、パキスタン式の助け方は豪快である。ここの職員との話は尽きることがなく、夜は更けていった。
 翌日、朝、昼とまたごちそうになって、夕方のバスでタフタンを後にした。
「また、来なさい。いつでも歓迎するから。インシャッラー」
 神のご加護を、とでも訳すのか、そんなことを言われ、別れた。これからこの旅で有数の悪路といわれる砂漠越えが待っている。最寄りの都市、クエッタまで15時間はかかるという。インシャラーか、砂漠の向こうにはどんな旅が待っていることだろう。
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