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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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タフタン~深紅のチャイ、甘いチャイの巻

»カテゴリ: パキスタン

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タフタン税関の昼下がり(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 イラン最後の日、今日もまた砂漠の道を快走する。目指すはミルバージェ国境。パキスタンはもう少し居心地がいい国であってほしい。もう少しうまいものが食いたい、もう少し楽に物を買いたい、もう少し人を素直に信じたい、もう少し・・・。
 ミールジャーヴェの町で乗客があらかた降りたバスは、また砂漠を走って、殺風景なコンクリート造りのビルの前で止まった。周りの乗客が降りろと言う。国境に着いたようだ。
 越境者が詰め込まれたビル。外人特権なのか、入国管理官の個室に案内された。恰幅のいいイラン男が黙々と山積みになったパスポートを処理している。イラン、イラク、それに聞き慣れない中央アジアの国名が刻印された表紙が見える。その山の上に、薄汚れた赤い日本旅券を載せる。彼はこっちを見向きもしない。机にはガラスのカップに入った深紅色のチャイが4杯。勧めてくれるかと期待したが、それはなかった。早くスタンプをもらえれば、どうでもいい。
 ビルを出たところでライフルを持った兵士にパスポートを見せ、塀の合間を抜けると、砂ぼこりの中に、見慣れない男の肖像画が目に入る。信仰、団結、規律、と標語があって、パキスタンに入ったことを知った。見返すと、今までいたビルには、白髭のホメイニが描かれていた。建国者合戦か。
 パキスタン側の入管はみすぼらしい小屋である。だが、ついさっきまでいたイランとは大違いの歓待が待っていた。ウェルカム・トゥ・パーキスターン! やけにおおげさに聞こえるインド訛り。ウッジュー・ライク・サム・チャーイ? 出てきたのは、同じチャイでもミルクと砂糖で味付けされた、インド・チャイ。ノウ、ノウ、パーキスターニー・チャーイ。そうか、そうか。わっはっは・・・。
 税関に回り、また甘いチャイを振舞われて、係員と雑談。ところで、この辺にうまいレストランはないか、と聞けば、陽気な係員は丸い目をぎょろぎょろさせて、妙なことを言う。
「税関事務所に来たまえ。最高のパキスタン・カレーをご馳走するぞよ」
 断る理由はどこにもない。どうせ砂漠越えのバスは当分出ない。僕らを荷台に乗せたトヨタのピックアップトラックは、砂漠をのそりのそりと渡り始めた。
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