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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ヴィラレアル~マグロ干し肉と緑ワインの巻

»カテゴリ: ポルトガル

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勧められたワインを調子よく飲む筆者(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 国境の町ヴィラレアルでポルトガル最後の夕食を済ませ、店を後にしようとしたとき、出口に近いテーブルの男たちが食べているものが目についた。鰹節に似た、タバコカートン大の褐色の塊をナイフで薄く削いでいる。男たちのテーブルの横に立って、物欲しげに見ながら、「これは何だ」と声をかけてみる。酔いも回って威勢のいい男が「マグロ、マグロ、食え、食え」と一枚分けてくれた。マグロの干し肉らしい。荒く削った鰹節のような味で、日本にあってもおかしくないように思えた。
「これはうまい」と調子よく返事をして、テーブルに載っていた他の珍味を指差して、「これは何だ」とやると、「食え、食え」となって、「これはうまい」と僕が叫ぶ。そのうち、隣のテーブルの髭の紳士から声がかかって、「坊主、飲め、飲め」とワインを勧められた。ヴィーニョ・ヴェルデというわずかに緑がかった色をしたスパークリングワイン。辛口が珍味に合う。これも「うまい、うまい」とやっていると、髭の紳士がやけに喜んで、どんどん酒を注いでくれる。
 マドリッドから奥さんとバカンスに来たスペイン人だった。ゆったりした感じに聞こえるポルトガル語と違って、髭の紳士と奥さんのスペイン語は、やけに早口に聞こえる。
「どこから来た? ああ、ハポンか。ハポンにはイントルネットあるか? 私の名前、ホセ、彼女はマリア、息子はマリオ。結婚しているか? スペインには行かないのか?」と畳み掛けるように聞いてくる。僕らがポルトガルに宿を取って、スペインで食事や買い物をしたように、ホセとマリアはスペイン側の町アヤモンテに泊まっていて、ポルトガルに夕食を食べに来たのだという。僕らが往復した航路の上流には、両国を結ぶ道路橋がかかっていて、車があれば10分で渡れる。
 明日、セビーリャに行くと答えると、ホセは眉間に皺をよせて、僕にもわかるスペイン語で言った――「セビーリャ、カロール。ムーチョカロール」
 セビーリャは暑い、ものすごく暑い。37度から40度になる。スペインで一番暑い。とにかく暑いところだ。まあ、楽しんでおいで。
 川風が心地よいヴィラレアルでそう言われても、どうもピンと来なかった。
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