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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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バーザガーン~秘密警察の国の巻

»カテゴリ: イラン

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ドウバヤジットからイランへ向かう道(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 雪原をひた走り、イラン国境に着いた。チェコ人のイェルカが指差す先は、晴天を引き裂く見事な雪山であった。アララト山。40日滞在したトルコに別れを告げよう。
 トルコの出国印をもらい、わずか歩くと、鉄の引き戸が立ちはだかっていた。引き戸の向こう側には肌色の制服を着た係員がぼんやりしている。向こう側がイランか。やがて戸が開いて、イラン側の検査場ビルに入った。
「パスポートをいただけますか」
 入国窓口に並んでいた僕らに丁寧な英語で話しかける男性がいる。てっきり入国管理官かと思い、パスポートを預けて、連れて行かれたところは観光案内所だった。イランらしくネクタイはしないスーツ姿の男は、観光案内所のマネージャーと名乗った。律儀な口調で、国境から先の進路について説明する。
「はい、検査が済みますと、車でバーザガーンの町に行ってください。1000トマン以上払う必要はありません。きっと吹っかけて来ますが、1000トマンでいいのです」
 イランの通貨単位は、リアルといい、紙幣もリアルで表記される。しかし、人々はリアルは口にせず、トマンという別の単位で言い表すという。しかも、トマンとリアルは等価ではなく、1トマン=10リアルとなるのでややこしい。こんなことも教えてくれた。
 ありがたい説明だと感心しながら聞いているが、説明はなかなか終わらない。そろそろ出発しようか、と腰を上げると、もう少しお話できませんか、と頼んでくる。年齢や職業を聞かれ、和華子がアメリカの大学に留学したと話す。すると、彼は「ホー」と感心したようにうなり、妙な展開になってきた。
「では、我らが友好国アメリカについて話してください」
 気味が悪い。世間話を装った尋問だ。こちらも世間話風に「あなたも英語が上手ですね」と切り返すと、半年前までイラク国境で米軍の電波傍受をしてだいぶ上達した、などと言う。イランは秘密警察が暗躍すると聞いていたが、ずいぶん露骨なものだ。
 秘密警察氏ににこやかに別れを告げて、1000トマンの乗り物でバーザガーン国境を後にした。この国では言動には注意しないと危なそうだ。
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