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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ニコシア~「運命が決まる日」の巻

»カテゴリ: 北キプロス

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選挙結果を報じるテレビに食い入るキプロスの人たち(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 僕らがニコシアを訪れたこの日は、選挙投票日であった。昨日の地元紙に「運命が決まる日」と大見出しがあって、初めて知った。
 2004年5月に「南」が欧州連合に加盟する。分断が続けば、南北の経済格差は広がるばかり。そんな背景もあって、慌しく統一機運が高まっている。今日の選挙の結果、統一派が「北」の国会の議席で過半数を占めれば、早期に統一が実現する予定だ。
 この日の夕方、キプロス人の女性にパーティーに誘われた。高校教師の彼女が友人と統一派の勝利を願って集まる趣旨らしい。願ってもない機会にニコシア郊外の邸宅に連れて行ってもらう。20代の学生や若い社会人が集まるくつろいだムード。焼かれたばかりのバーベキューが次々に運ばれてくる。隣に座った女子大生がソーセージを口に運ぼうとした僕を制して、「あの、豚肉、大丈夫ですか」。「北」の住民はトルコ系がほとんどだから、豚肉を食さないイスラム教徒のはず。冗談かと思ったら、本当に豚肉だと言うから驚いた。
「私たちトルコ人じゃないですから」
 統一派の彼らは、本土のトルコ人とは生活風習や考え方が異なると言う。「南」のギリシア系とは宗教は違うが、通じ合える。一方で、反対派は、分断後に本土から移住してきたトルコ人や公務員が主体。国の将来を考えれば、統一しかない、となるようだ。
 彼らは裕福そうな若者で「北」の住民の声をどこまで反映しているのか分からない。内戦中の民族虐殺を経験した世代は、「南」への憎悪も強いかもしれない。ただ、熱っぽく語る彼らに、部外者が口にするのははばかれた。
 夜10時になって、部屋の隅のテレビに人が集まり出した。暗い口調が漏れる。最終結果は、両派が25議席ずつ取り合う、完全な引き分けだった。
「トルコ系キプロス人は終わりだ」
 傍らにいた青年がつぶやく。
 今後、どうなると思うか。
「本土の連中が決めるしかないだろうよ」
 彼はそう投げやりに答えると、そのまま玄関へ夜の街に出て行った。
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ニコシアについて

ニコシアニコシア(Nikosia)は、キプロスの首都。ギリシャ語ではレフコシア(Λευκωσ?α, ''Lefkos?a'')、トルコ語ではレフコシャ(Lefko?a)という。人口は、177,410人(1992年)。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Quo

  • 2007/02/05(月) 06:26:46 |
  • 首都の旅
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