Tanimichi World Blog

世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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エディルネ~”デッドゾーン”の防人の巻

»カテゴリ: トルコ

20050104215804.jpg

「記念撮影しようよ」と誘ってきたギリシア兵。撮影後に上官から叱られていた(2003年)
Photograph by Kenta Tanimichi


 人影のない畑が両脇に広がる田舎道。木立に入ったと思ったら、唐突に兵士がいた。ヘルメットに戦闘服。両手には小銃。ギリシア国境だ。
 トルコ最西端の都市エディルネは、ブルガリア国境から18キロ、ギリシア国境から10キロの位置にある。到着した翌日、ギリシア国境を目指した。
 エディルネ近郊の砂ぼこり舞う村で国境への道を聞く。雑貨屋にいた女性が国境は4キロ先だが、そこまで向かうバスはないと教えてくれる。歩くか、と考えていると、女性が通りに出て、バスを呼び止めた。このバスで国境に行きなさい。回送中のバスをタクシー代わりに使え、ということらしい。400万リラ(約290円)で合意して乗り込んだ。
 この国境では、通過する車両も人も見当たらない。森の一本道を武装兵士が立ちはだかっている。本当に通過可能なのか。不安になってきた。
「オーケー、ノープロブレム。ギリシア側には町があるよ」と話す将校に出国印を押してもらう。彼自身は、その町には行ったことがない。
 田舎道を進む。数百メートル歩くと、前方にまた兵士。
「ハロー、ジャパニーズ?」
 適当に相槌を打って立ち去ろうとしたら、「閑だからおしゃべりしようよ」。陽気なトルコ兵のすぐ向かいには、別の兵士が立っている。ギリシア兵だ。ふたりの間は幅2メートルに満たない”デッドゾーン”という緩衝帯。ここに両国の国境線がある。
 ギリシア側に立ち入ると、今度はギリシア兵が話しかけてきた。さっきのトルコ兵と同世代の兵役中の若者。向かいに立つトルコ兵と話をするのかと聞くと、「そりゃ、するよ」。弛緩しているようにも見える彼らだが、構える自動小銃には銃剣が刺さっている。どんな会話をするのだろう。お互いの国には行ったことがないというふたりにとって、2メートルの”デッドゾーン”は果てしなく遠い。
 実は両国の国境には地雷が敷設されている。アテネ五輪を控えて、地雷撤去に合意、としばらく前に読んだ新聞にあった。その記事は、不法越境したパキスタン人7人が死亡したと続いていた。僕らが日帰り越境したわずか3か月ほど前のことである。
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