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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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バーレ~自由気ままな国境線の巻

»カテゴリ: ベルギー

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白い十字架印の手前がベルギー(B)、先がオランダ(NL)(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 アントウェルペンから通勤電車を乗り継いで1時間ほど東に向かい、終点の田舎町で降りる。駅前広場でバーレー・ハートグ行きのバスがあっけなく見つかった。
 数日前、ブリュッセルでベルギー政府観光局に立ち寄り、バーレー・ハートグの行き方を聞いてみた。「バーレー・ハートグ? どこにあるんだ?」
 地図で指し示すと、「なんだ、そこはオランダだよ。オランダ観光局へ行きなさい」と追い返されてしまった。観光局が誤解するのも無理もない。実はこの町は、オランダ領内にある小さなベルギーの飛び地なのである。
 町を抜け出たバスは、草地と森林に挟まれた一本道をまっすぐ向かう。地図によれば、バーレー・ハートグは、この田舎町から北へ20キロあまり進んだところにある。地図を手元に車窓を見ていると、ベルギー・オランダ両国の旗が立った小屋が見えて、どうやらここが国境なのかなと分かる。オランダ領内に入っても風景は変わらず、停留所もあるが、誰も降りず、誰も乗ってこない。
 バスを降りたところは、洒落たカフェの前だった。歩道にせり出した客席には、上品な老夫婦がコーヒーを飲んでいる。ここから数歩歩くと、地面に見慣れない印が描かれているのが見えた。白い十字架が一列に並び、手前にNL、十字架の先にBと文字が書いてある。国境線らしい。NLはオランダで、Bはベルギーなのだろう。だとすると、バス停はベルギー領バーレー・ハートグではなく、オランダ領にあることになる。オランダ領はバーレー・ナッソーという町だと分かった。
 十字架の国境線をジグザグ状にたどって行くと、小さな洋品店の軒先に行き着いた。歩道側にはベルギー、店内はオランダになっている。ここでは、歩道に描かれた控えめな十字架印と車道に規則的に打たれた銀色の鋲が自由きままに道を横切る。玄関のドアを境に国境が横切る民家があった。几帳面に両国の番地を示す標識が貼ってある。
 国境を隔ててふたつの町があるのではなく、もともと存在したひとつの町がなんらかの歴史的経緯で別の国に分断されてしまったようである。この町の住民には一体どんな不都合や恩恵があるのだろう
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