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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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イルン~国境行き電車の巻

»カテゴリ: スペイン

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イルンの駅で(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 ドノスティアからわずか20キロ東にフランス国境がある。国境の町イルンまで通勤電車で行けると知って、乗ってみた。バスク電車の意味になる「エウスコ・トレン」は、バスク一帯に線路網を持つ私鉄線である。ドノスティアと国境を結ぶ線は、15分に1本の頻度で運行されている。幹線でも1日に数本しか走らないスペイン国鉄とは大違いだ。
 幅の狭い電車は、ほどほどの乗客を乗せて、国境に向けて出発した。カーブを曲がり、短いトンネルをいくつも抜けては、洗濯物を干したアパートの合間を練って進んでいく。東京で乗りなれた西武新宿線を思い出させるのんきな私鉄である。
 30分後、イルン着。意外と人通りが多い。ポルトガル・スペイン国境のときと同様、イルンについてなにも予備知識がない。宿がないようなところだったら、急いでフランスへ向かうつもりでいたが、心配は無用だった。国鉄駅のそばに、ペンシヨンの看板が出ていた。その名も、ロス・フロンテリーソス――国境の意味なのだろう、多分。名前が気に入って、部屋を取った。
 スペインらしく昼間は営業しない観光案内所の窓にイルンの地図が貼ってあった。目抜き通りを左に曲がって、しばらく歩くと、スペイン・フランス国境の川を越える橋があると読める。住宅地の中のなんの変哲もない道。歩道を進むと、あっけなく橋があった。川幅は案外狭くて、100メートルもなさそう。本当にこれが国境なのか。車道の中央分離帯にFRANCEと彫られた石があって、どうやらここが国境らしいと分かる。ここから先は、フランス共和国ピレネーアトランティーク県エンダイヤ町である。
 眠ったような町エンダイヤで、店頭に品書きが出ていた食堂に入る。先客2組は、ワイン・ボトルと食事を前にして、ひそひそ話している。何語で話しているのか全く聞き取れないぐらい静かな声。店主らしい青年は、にこやかに微笑んで、小さな声でボンジューと言った。この国では、食堂では静かにしないといけないらしい。
 特に見物するところもないようで、町のヨットハーバーから船に乗って、5分。対岸の波止場の落書きと、用もなさそうにたむろする中年男たちのパカパカと聞こえるスペイン語を聞いて、ちょっとほっとした。
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