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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ファーロ~つき出しの生ハムの巻

»カテゴリ: ポルトガル

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ファーロの街角(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 リスボンは気温25度前後と快適で、食も口に合い、歩き回っても飽きがこない。それに零時を回っても、人通りがあるし、地下鉄やバスでも身に危険を感じることがなかった。
 何日か過ごし、この街で、「どこから来たのか」と問われていないことに気づいた。旅をしていると、出会う人に必ずといっていいほど聞かれる質問がここではない。店員と事務的な会話以上の話になっても、「あなたは何人なのか」と聞かれることがないまま終わる。無粋だと思うのか、よそ者に関心がないのか。
 外国人に声をかけずにはいられない街にいると、鬱陶しく感じるのに、相手にされていないようなのももの足りない。わがままな旅人の心情なのだが。
 リスボンに6泊して、ポルトガル南部の町、ファーロに向かう。船と列車を乗り継いで5時間の道のりだ。
 安宿をとって、町に出る。ここは生ぬるい風が時おり吹きぬけ、陽射しが強い。停泊するヨットを右にして、海沿いの散歩道を進むと、頭上に着陸態勢をとったジェット機が横切っていく。アフリカを対岸に望むこの地はヨーロッパ有数のリゾート地帯だという。
 夜、伊勢海老や蟹を店頭に並べた店を見つけた。貼り出されたメニューは割りと安い。ひょうきんな表情の女の店員にうながされて店に入る。料理は期待以上で、なかでも、つき出しの生ハムが実にうまい。ところが、勘定を払う段になり、伝票を見ると、メインの料理よりも高い項目がある。生ハムだという。食ってしまったのだからしかたがないが、陽気な店主をにらみつけてやったら、釣銭とともに頼んでいない酒とつまみを運んできた。
「もちろんタダです。飲んで、飲んで。そうだ、写真を撮ってあげましょうか」
 やけに狼狽するのがおかしくて、カメラを手渡した。
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