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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ドノスティア(サンセバスチャン)~系統不明の民族バスクの国の巻

»カテゴリ: スペイン

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ドノスティア(サンセバスチャン)の港。標識は上がバスク語、下がスペイン語(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 ケリーがアメリカに帰る日が来て、ルリコが日本に戻り、マイの大学が始まる日が迫ってきた。僕らの居候生活も1週間を過ぎ、そろそろ旅立つころだと思い、アルベルトにそう告げた。彼は真剣な顔つきでクリスマスに僕の故郷に連れて行ってやる、と言い、僕らも東京に来い、と誘った。
 マドリッドから一路バスクへ向かう。スペインでは、地方ごとにかなりの自治権が与えられており、ところによっては独自の公用語を定めている。なかでもバスク地方は、パイス・バスコ(バスク国)というぐらいで、独自色が強い。分離独立を主張する勢力が力を持っており、テロリストのETAも独立を主張しているそうである。そもそもバスクは、民族的にも言語的にも他の地方とは全く異質で、系統不明の民族だと言われることが多い。
 峠を越えて、バスがバスク国に入ると、道路標識は二言語表記になり、目指すサンセバスチャンはバスク語でドノスティアという地名になると知った。遠目からは芝生のように見える緑が谷間を覆う風景。雲の隙間からときおり光がさしこむ。今まで旅してきたイベリア半島やモロッコの乾燥した大地とは大違いだった。
 ドノスティアに着いて、海岸を見ただけですっかり気に入ってしまった。心地いい潮風が吹くなか、夜8時だというのに泳いでいる人がいる。海辺の市街にはバスク特有の書体で描かれたバルの看板が連なり、広場の芸人は、通行人をおちょくったり、追っかけたりする即興芸で笑わせる。この街のバルは、カニ、エビ、サーモン、マグロをふんだんに使った1皿300円もしないようなツマミを食わせる。スペインのいろんな街でバルを出歩いてきたが、ドノスティアは文句なしに最高だ。
 それに、この街の人々は明らかに今まで旅をしてきた他の土地の人々よりも、愛想がよくて、感じがいい。最初は偶然に気持ちのいい店員が続いただけかと思ったが、そうではなかった。おまけに海と山が見えて、涼しい港町で育った僕にとって、この街はどうしても初めて来たところとは思えず、よけいに気に入ったのだろう。この土地の豊かさにすっかり魅了された。
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