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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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マカオ~アベニーダの香水の巻

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昼下がりの喫茶店(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 繁華街の新馬路の外れに宿を取った。別名アベニーダ・デ・アルメイダ・リベイロ。狭い歩道をせわしく急ぐ人とすれ違いざまに、華やかな香りがした。反射的に振り返るが、もう誰かは分からない。最後に香水の匂いをかいだのはいつだろう。イスタンブールあたりだったような気がする。それからというもの、すれ違う人は、もっと湿っぽく、汗臭かった。羊肉やニンニクや葉巻の匂いがした。ここは西洋の飛び地なのだと思った。
 マカオは路地の街だ。適当なところで曲がり、麺粥屋や中華おでん屋の路地に入る。路地はそのままカーブしながら坂を上り、視界が開けたところに、ピンク色の教会が建っていた。丘の下は華南、上はリスボン。ここでは不思議と違和感なくつながっている。
 買い物客でにぎわう通りに洋書店を見つけて、入ってみたら、ポルトガル語の本ばかりだった。歴史書から雑誌まで、一通り揃う。分厚い装丁のマカオ年鑑があった。いまだにポルトガル人がマカオ政府の公務員を務めているようだ。植民地がなくなったからといって、本国に帰っても、職のあてがない人もいるのだろう。マカオでは、いまだにポルトガル語が公用語のひとつ。地元紙には、毎日のようにポルトガル人らしき名前の判事が署名した、民事訴訟の判決文要旨が載る。中国人同士の金銭トラブルをポルトガル人判事がポルトガル語で裁く有様を思い描くと妙な気もする。それにしても、この本屋、静かである。
 坂道を上がったり下ったりして、ファストフード店に入った。僕らの前に白人の恰幅のいい女性が英語で注文している。肘で挟んだ紙袋にさっき入った本屋のロゴが見える。ここの店員はポルトガル語ができないのか。ノー、イングリッシュ・オンリー。苦笑いしてそう答える。どことなくバツが悪そうな表情に見える。
 この街に飛び交う言葉は何種類あるのだろう。広東語、北京語、英語、ポルトガル語。大阪弁も何度か耳にした。ロシア語らしき言葉を話す金髪女もいたし、タガログ語も聞こえた。露天の新聞売りに慣れてきた北京語で値段を聞く。返事も北京語。英語でどうして表示価格よりも高いんだと文句を言う。香港紙だから仕方ないでしょ、と英語の返事。僕が日本語でぼやくと、コレ3ドル、マカオノ新聞、安イ。僕はどういうわけか、こういうごちゃ混ぜなマカオがとてもいとおしく感じる。
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