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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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ドンホイ~静かな漁港のつつましい女の子の巻

»カテゴリ: ベトナム

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安宿から見たドンホイの風景(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 フエから乗った一般バスは、窮屈このうえない。満員で出発したが、おかまいなしに客を拾う。ふたりがけの席には3人目を押しやり、補助椅子を開いて座らせ、ドアステップに立たせる。途上国のバスは、どこでも満員にならないと出発しないが、ここまで詰め込むのは思い出せない。もう身動きは全くできない。切符代は16倍ふっかける、乗り心地は最悪、冷房はない、となると、外国人がみなツアーバスに乗るのも無理はないだろう。
 僕の左隣はおとなしい小学生ぐらいの男の子で、ビニールに入った小魚を手にしている。車は古都フエから北へ進み、水郷地帯を走りながら、こまめに客を拾い、下ろす。いくつかの町をすぎ、土が露出した大地が広がった。そろそろ旧DMZに入ったはずである。非武装地帯のことで、1975年に南北ベトナムが統一されるまで、緩衝地帯であった。英語の得意な乗客のホテルマンに、そろそろ昔の国境に差しかかりますよ、と話してみる。実際に昔の国境橋を越えたとき、彼は周りの乗客に僕の情報を伝えたが、誰も興味がないようだった。統一してから30年近く経ったのだから、そんなものかもしれない。統一前から社会主義体制にあり、戦争に勝利した北ベトナムに入る。
 発車してから5時間後、バスが止まった。車掌が僕らに「ここで降りろ」と言う。窓から飛び降りろ、と周りの乗客。補助席が埋まっていて、ドアまでたどり着けないのだ。静かな漁港がある地方都市ドンホイに着いた。
 この町では英語はほとんど通じない。いままでの外国人慣れした町とは大違いだ。市場で売られるものは漁具が多く、うるさい客引きもいない。かわいい女の子が店番をしている雑貨屋が見つけて、石鹸と煙草を買う。交渉しなくても安いのがありがたい。
 夕方に市場に近いカフェでアイスコーヒーを飲む。僕はアイスコーヒーが好きではなかったが、ベトナムに来て変わった。この国のコーヒーは実にうまい。フランス帝国主義の置き土産である。偶然、昼間の雑貨屋の子がカフェに入ってきた。恥ずかしそうに和華子と話す19歳。明日、昼の11時にこのカフェでまた会おう、ということになって、出向くと、また恥ずかしそうにプレゼントと手紙を和華子に差し出す。アオザイを着た自分の写真まで入っていた。映画に出てくる昭和30年代の日本人みたいにつつましい。
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