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世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

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チェンライ郊外アカ族の村~山の海洋民族の巻

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山岳民にも文明が及んできた(2004年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 タイ北部のチェンライからアカ族という山岳民族の村に行った。まだ30代の村長が運転する四輪駆動車に乗って23キロ、40分。街道から折れ、土が露出した山道を登る。村に入った。
「ここはタイ人の村。次にシャン族、中国人の村。アカの村は頂上近く。まだ先だよ」。同乗したイギリス人のジョンが説明してくれる。アカ族のなにかに魅力を感じて流れ着き、7か月経つ58歳。四駆が最後の急斜面を這いつくばって、上りきったところに村があった。
 メコン中上流域は山岳民族の宝庫である。山岳民と盆地に住む農耕民とは、それぞれ独自の生活様式や言語を保って棲み分けてきた。タイ北部では、盆地にタイ族やラオ族が住み、山にチベットやミャンマーに起源を持つ山岳民や中国国民党残党の村々が点在している。
「アカの人たちは、いまでも町に出るときに『タイに行く』なんて言うんだ」とジョン。最近までタイ政府の支配が及んでいなかった。出生届を出さず、通学や投票などの公民権がない状態が続いた。最近は、中腹のタイ人の村に学校もでき、変わりつつあるという。
 この村では、村長が会社を興して観光客相手の宿泊施設を運営している。ツアーの売り込みがあるわけでもなく、あまり商売っ気がないのがありがたい。小雨が降る毎日、集落を散策して過ごした。標高1500メートルの斜面に高床式の小屋が並び、半裸の子どもが走り回る。村の女性は、自作した手芸品を並べて、手振りで売り込んでくる。タイ語で値段を聞いたが、返事はアカの言葉。大人はタイ語がわからない人もいるようだ。
 泊まった小屋から目前に広がる斜面に火がついた。まだ背丈の高くない草むらに火が走る。アカ族は焼畑農業を営む。ジョンの話では、彼らは一定期間農作をしては、土地が痩せるとともに別の山に移る。そうやって暮らしてきたが、政府の支配力が増すなか、定住を迫られつつある。
 この村には30世帯ばかりしかいない。丸一日歩いた別の山に、本村があるという。親族の行き来もあるし、村を越えた婚姻も多い。そうやって東はベトナムにまで広がるアカ族は、相互に交流を保っているらしい。盆地を海に例えると、アカ族の住む山の頂上付近は島になる。彼らは「海」には見向きもせずに、「島」を跳び回る山の海洋民族かもしれない・・・。日本人のアカ族研究家が残した冊子にこんな粋な文句があった。

* アカ族の村のホームページ「The Akha Hill House」
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