Tanimichi World Blog

世界32か国、16か月の旅。

ユーラシア横断陸路の旅 まえがき

スポンサーサイト

»カテゴリ: スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

リスボン~エスプレッソにコロッケの巻

»カテゴリ: ポルトガル

20050104164832.jpg

リスボンのパシュテラリア(2003年)
Photograph by Wakako Takatsuki


 行き先も期限も決めない旅をするのが夢だった。ポルトガル行きの切符を取ったものの、下調べをする間もなく、あわただしい毎日が過ぎた。仕事を片付けたり、税金を完済したり、パソコンを買ったり、送別会を開いてもらったりしているうちに、出発日が来た。この旅は、つき合って3年になる彼女とふたり旅だ。
 初めて来たリスボンは坂の街だった。市街の左右に迫る丘に向けて、無数の坂道が延びていく。石畳の坂を上がると、寺院や城砦があって、その向こうにも坂と街が広がっている。道は狭くて、ぐねぐね入り組んでいている。
 かなりの距離を歩いたつもりが、後で地図を確認するとほんの2、3キロに過ぎなかったりする。石畳の道は凹凸があって、山歩きのように疲れることに気づいたころには、足の指に水ぶくれができ、両腕や顔が赤く妬けていた。
 リスボンの街には、そこいら中にパシュテラリラという軽食堂がある。僕らは歩き疲れては、パシュテラリアに入るようになっていた。
 どこのパシュテラリアも、カウンターがガラスの陳列棚になっていて、惣菜や菓子パンが並べてある。円筒型のコロッケのようなものを指差して、食べてみると、魚の味がするコロッケそのもの。名前を聞いてみると、「クロケット」。別に日本古来の食べ物ではないから、驚くべきことではないのだけど。春巻きもあれば、インドのサモサもある。どれも一口大の大きさで、安くて、うまい。惣菜ふたつにエスプレッソを飲んで200円台で済む。
 ポルトガルに来て1週間。気づけば、一日もかかさず、パシュテラリアで朝食を取っている。コロッケや春巻きを片手にエスプレッソを飲むのは、考えれば奇妙な習慣だ。
 朝のパシュテラリアは忙しい。新宿駅のプラットホームのキオスクのように、客が入れ替わり立ち寄っては、口々に注文を出す。手際よく裁いていかないと、たちまち滞ってしまう。煙草に火をつける客があれば、すかさず灰皿を持ってよこし、持ち帰り用を頼む客には、包装をしてやり、実にてきぱきとよく動く。それでいて、血走った表情でもなく、淡々とこなしている。
 この街の人々は、賑やかでもないけれど、不親切でもなくて、優雅に手際がよい。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ktanimichi.blog3.fc2.com/tb.php/1-6e32e283

【4】 リスボン

[あらすじ] … リスボン市民の憩いの場、サン・ジョルジェ城を観光。バイシャ地区のレストランで愉快なオーストリア人と出会い、とても楽しいディナータイム。ホテルへの帰り道は、クリスマスモードでライトアップされていて、さらに幸せな時間をを過ごしました。… 続きを

  • 2005/02/09(水) 23:56:06 |
  • Blog - いつもこころに EUROPA
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。